顧客に驚きと衝撃を与える”常識破壊”の作成手順3つのSTEP

こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。

新規顧客の興味を引き寄せる方法の1つに、顧客の常識を破壊して驚きと衝撃を与える方法があります。

例えば、「貯金するほどお金を失います」「運動するほど太ります」と言われれば、「どういうこと?」と思うでしょう。

案件にもよりますが、私もコピーライティングの際は重要視する考え方ですし、プレゼンでも重要視する方法です。

ただ、これまで「なぜ常識を破壊すると良いのか?」「どうやって顧客の常識を破壊するのか?」ということを深く解説した記事はありませんでした。

そこで、今回は顧客に驚きと衝撃を与えてアプローチする常識破壊の作成手順を解説します。

あくまで顧客へのアプローチ方法の1つにはなりますが、ターゲット層を明確に言語化する際の参考にしていただくと幸いです。

目次

【前提】常識破壊は顧客の興味をそそる重要手段の1つ

前提として、常識破壊はターゲット層を明確に言語化し、顧客の興味をそそる重要な手段の1つです。

ターゲット層を明確化するのは、マーケティングでもっとも重要であることは言うまでもありません。

ターゲット層の明確化には、大きく分けると年齢・性別・職業・年収などの属性と、ターゲットの持つ感情に分けられます。

このうち、後者のターゲットの持つ感情を明確化する原理原則としてBDFという手法があります。

BDFとは、アメリカのマーケティングコンサルタントのマイケル・マスターソン氏が提唱した、マーケットリサーチに膨大な経費をかけずに見込み客を理解する手法です。

BDFとは、次のようなことです。

B:ビリーフ=価値観・思い込み

お客様はあなたの商品・サービスに対してどのような価値観・思い込みを持っているか?

D:デザイア=欲求・悩み(俗にいうニーズ)

お客様はどんな悩みを持っているか?

どんなことを解決したいか?

F:フィーリングス=感情(特に、負の感情)

お客様は、どんなことに焦りを感じているか?

どんなことにイライラを感じているか?

「その場で7割買われる秘密~「検討します」と先延ばしさせない魔法の売り方~」(古山正太著、技術評論社刊)より抜粋

BDFは顧客に興味をもってもらうための根幹の1つなので、必ず押さえておくようにしましょう。

D(デザイア)とF(フィーリングス)を明確化すると、「あー、わかる!」「そうそう、こういうのが欲しい(悩んでいる)」と共感を得ることができます。

お客様の心の中に寄り添って悩みを解決し、願望を叶えることを示すためには欠かせません。

一方で、B(ビリーフ)は、「え、そうなの?」「知らなかった!」と驚きと衝撃を与えることができます。

つまり、顧客の頭の中にパラダイムシフト(価値観の変化)を起こすことができるので、インパクトが非常に強いです。

常識破壊とはBDFのなかの「B」に該当します。

冒頭でお伝えしたような常識を覆すようなことを言うと、多くの人を強く引きつけるのはそのためです。

ただ、常識破壊はターゲット層を明確に言語化する手段なので、なんでもかんでも常識の逆を言えばいいという話ではありません。

そもそも「見込み客はそんなことは頭にない」となれば、常識破壊はただの言葉遊びとなるだけでむしろ逆効果です。

そこで、これから、正しい常識破壊の作り方を解説していきます。

【STEP1】お客様の言葉から価値観・信念・思い込みを書き出す

常識破壊は、ターゲット層を理解する手段の1つなので、最初にやるべきことは、お客様のBDFを把握して書き出すことです。

BDFはターゲット層の根幹なので、商品作りでもコピーライティングでもプレゼン資料作成でも、必ず最初に把握すべきことです。

お客様のBDFをもっとも的確に把握方法は、言うまでもなくお客様に聞くことです。

D(デザイア)とF(フィーリングス)は、商品を申し込んだきっかけに該当するので、比較的アンケートで聞き取りやすいところでしょう。

B(ビリーフ)についても、以下のお客様の言葉をヒントにして把握することは十分可能です。

「何それ、意外!」

「そうなの? 逆だと思っていた」

「ずっと誤解していた」

「テレビやネットでは全然探せない情報だ」

「他の人は○○だけど、あなたの商品は○○がなくて良い」

「他の人は××がないけど、あなたの商品は××があるのが良い」

「今まで間違って努力してきたけど、正しく理解して実践できた」

このようなことを言われてないか、お客様の会話を思い出したり、アンケートを見返したりしてみましょう。

そうすることで、お客様が誤解していた思い込みや信念、価値観を把握できます。

大事なことは、自分にとっては当たり前と思うようなことでも、お客様にとっては当たり前ではないという点です。

自分とお客様の知識には、大きな隔たりがあることを意識して、お客様に聞いてみましょう。

【STEP2】商品の特徴とBDFを書き並べてベネフィットを明確にする

BDFを把握したら、自分自身の商品の特徴とBDFを並べてみます。

まずは、商品の特徴を書き並べて、STEP1で明確にしたBDFと並べてみましょう。

そして、特徴とBDFが重なるところを「だから何?」と掘り下げてベネフィットを明確にします。

そのとき、FAB(Feature, Advantage, Benefit)という考えを使うと、下記のように商品の特徴をベネフィットに言い換えることができます。

  • F:Feature=商品の特徴

例:コーヒーカップに取っ手がある

  • A:Advantage=商品のメリット

例:やけどすることなくコーヒーカップを持てる

  • B:Benefit=商品のベネフィット=顧客にとってのメリット

例:安全に冷めないうちにコーヒーを飲める

ただ、1つ落とし穴があって、ターゲット層を間違ってベネフィットに言い換えても、それは残念ながらベネフィットではないのです。

あくまで、ベネフィットは”顧客にとって”のメリットなので必ずSTEP1を踏まえてベネフィットを考えるようにしましょう。

また、ここで競合のサービスとも比較してみてください。

競合にはなくて、自社にしかない特徴・ベネフィットであればかなり強力です。

ここまでできたら、少なくともセールスで大コケすることはないでしょう。

【STEP3】常識破壊を言語化する

ベネフィットを明確にしたら、今度は言語化します。

ベネフィットが明確になったところで、BDFのうち、D(デザイア)とF(フィーリングス)は言語化できるはずです。

明確にしたDとFがそのまま顧客の悩みや解決したいこと、叶えたい願望を示す言葉に直結するためです。

これに加えて、B(ビリーフ)についても顧客にパラダイムシフトを起こすほどのインパクトをもたらすので、的確に言語化できると理想です。

そこで、B(ビリーフ)、つまり常識や思い込みの破壊を言語化した例をいくつか解説します。

「○○でも実現できる」「○○してもOK」

1つは、「○○でも実現できる」など、「こんな人でも大丈夫」ということを示すような表現です。

  • 手先が不器用なのでセールスできない⇒口下手でも成約率3倍にするプレゼン方法
  • 1日3食、しかも間食までしたら太る⇒1日3食、間食も夜食もOK!

このように表現することで、簡潔に常識や思い込みを外すことができます。

コピーライティングでもプレゼンでも、なるべく簡潔に表現することが大切です。

「○○不要」「○○がなくても」

もう1つ簡潔に常識を破壊することができるのが、「○○不要」「○○がなくても」という文言です。

  • SNS・ブログ・メルマガ全部不要!
  • 口下手・人見知り・センスなしでもOK!

といったもので、「○○がないと△△できない」と思い込んでいる人にはインパクトを与えることができます。

一般的な常識や価値観の逆を言う

もう1つわかりやすい方法が、一般的な常識や価値観の逆を言う方法です。

これは、冒頭でお伝えした「貯金するほどお金を失います」「運動するほど太ります」といったものです。

ネガティブな表現だけでなく、「お金を使うほどお金は貯まります」「運動しなくても痩せます」といった表現もあります。

これを言うことができるほどの商品なら、相当インパクトは強いですが、「これは言い過ぎ」とならないように注意しましょう。

誇大広告になったり、見込み客を誤解させたりすることになる可能性があるためです。

この場合は「好きなことにお金を使ってOK」「激しい運動不要」とやや緩和して実態に合わせるようにすればOKになることもあります。

その他の逆説表現を活用する

ここまでお読みになっている方ならお気づきかと思いますが、上記の言語化の例はすすべて逆説的な表現です。

他にも、以下のような逆説表現を使用できることがあるので参考にしてみてください。

ただし、あまりに煽りが強くなってしまったり、実態と乖離したりすると逆効果になるので注意してください。

  • ○○なのに~
  • ○○にいながらできる~
  • ○○があれば△△できるという誤解
  • ○○があっても安心はできない
  • ○○はもう古い
  • ○○時代の終焉
  • ○○の本当の真実
  • ○○のウソ
  • ○○の落とし穴
  • ○○のリスク

意外性・衝撃の事実を詳細に語る

ここまでは、常識破壊を示すキャッチコピーの案についての解説でしたが、LP本文(特に書き出し)やプレゼンで詳細に語るのもいいでしょう。

「うまくいかない人の持つ5つの勘違い」みたいな見出し(サブキャッチ)で、ターゲット層が誤解している思い込みや信念について記載するのです。

詳細は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】PASONAの法則の実践的活用法|驚きと共感で人の心を動かすLPの構成5つのパターン

【まとめ】ターゲット層を明確にして驚きと衝撃を与える

以上、顧客に驚きと衝撃を与えてアプローチする「常識破壊」の作成手順について解説しました。

顧客の常識を破壊することは、何も奇抜なテクニックではなく、ターゲット層を明確にする際の根本的な原理原則であることがわかります。

本記事のなかで紹介したBDFについては、「その場で7割買われる秘密~「検討します」と先延ばしさせない魔法の売り方~」(古山正太著、技術評論社刊)でも詳細が書かれているので、興味のある方はご覧ください。

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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!



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