こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。
よく見込み客に向けて情報発信するとき、「自分のノウハウは出し惜しみせずに全部公開しろ」と言われます。
しかし、私は「ノウハウは出し惜しみしない」というのは、「半分正解で半分間違い」くらいに考えています。
基本的にはノウハウは出し惜しみなく公開した方がいいのですが、気を付けないと逆効果になることがあるためです。
そこで、本記事ではノウハウを出し惜しみせずに公開することの落とし穴についてお伝えします。
本記事でお伝えすることは、主に次のことに当てはまります。
- ブログ
- SNS
- YouTube
- メルマガ、ステップメール
- 無料特典(動画、冊子、テンプレート、ワークシート等)
- フロントセミナー
- 書籍
自分のノウハウをどこまで公開したらいいか悩んでいる方は、最後までご覧ください。
有料級のノウハウを無料公開した方が良い2つの理由
日々のブログやメルマガ、YouTube、SNSで情報発信をしてノウハウを公開している方は多いでしょう。
またプロモーションの際は、ステップメールや動画などでノウハウを提供したり、テンプレートやワークシートを渡したりします。
かつて有料で開催していたセミナーの動画を無料公開する方も少なくありません。
なぜ、ノウハウを無料公開することが効果的なのでしょうか?
よく聞く話かもしれませんが、簡単におさらいしましょう。
見込み客が強く興味を持つので成約率が高くなる
ノウハウを無料公開することで、見込み客は、次のステップであなたの商品・サービスに申し込みをします。
- 見込み客があなたを信頼して興味を持つようになる
- 見込み客がノウハウをもっと知りたくなる
- 見込み客があなたに教えてもらいたくなる
この時点で見込み客は大きな気付きを得られるので、「とても良いことを教えてもらった」と感謝の気持ちを持ちます。
まだあなたがフロントセミナー等で見込み客に会っていない段階で、見込み客の好感度はかなり高くなっているはずです。
そのため、私はメルマガやステップメールはもちろん、SEOライティングやブックライティングを手がける際は、極力クライアントのノウハウは出し惜しみなく公開するようにしています。
ノウハウを公開すればするほど、見込み客とあなたの距離は近付いていくので、バックエンド商品の成約率は高くなるでしょう。
無料で公開したところで1人ではできない
「無料で公開してもノウハウを全部取られることはない。見込み客は1人ではできないし、ライバルは真似できない」
よく言われることですが、たしかに有料級のノウハウを提供したところで、実際に活用できるわけではありません。
あくまで提供しているのはノウハウであって、スキルではないためです。
「知る(ノウハウ)」と「できる(スキル)」には、大きな隔たりがあります。
あくまで情報発信で提供できるのは知識であって、知識が使えるように自分事として落とし込むことはできません。
ノウハウは、自分事に落とし込み、活用できるようになって初めて活かされるのです。
日々の情報発信を見ているだけでは、「できる」の壁を超えることはできないので、決して真似されることはありません。
よく、「本を読んでも人生が変わる人はごくわずか」と言われますが、これも自分事として捉えることが難しいことが原因です。
決して「本を読んでも実践しない」とか「習慣化しない」ことが原因ではありません。そもそも自分に合った方法で実践できない人が大半なのです。
だから、見込み客が完璧に理解できるほど、ノウハウを無料提供しても問題ありません。
有料級のノウハウを無料公開して逆効果になる2つの理由
基本的には、ノウハウは無料公開した方が良いことをお伝えしました。
見込み客に「独学では難しいけれど、教えてもらえば確実にできそう」と思ってもらうことが成約率アップの重要ポイントです。
しかし、逆に言えば・・・・・・
- ノウハウを公開して「自分にはできない」と思わせてしまう
- ノウハウを公開して「自分でできる」と思わせてしまう
といったことになれば、ノウハウの公開がかえって逆効果になってしまい、成約率を下げてしまいかねません。
「自分にはできない」と思わせてしまう
有料級のノウハウをどんどん公開しようと、一生懸命情報発信しているのに全然問い合わせがない・・・・・・。
この場合、一度立ち止まって考えてほしいのが、「見込み客のレベル感」です。
「難しい」
「自分にはできない」
「めんどくさい」
このように思われていないでしょうか?
初心者に上級者向きのテクニックを教えるようなことをしていないでしょうか?
「そうは言っても、これを知らなければどうしようもない」
「このノウハウで自分のクライアントはみんな成果を出してきた」
というのもあるでしょう。
しかし、そのノウハウがあなたのコンテンツをほとんど知らない見込み客が見たときにどう感じるでしょうか?
すでにあなたの手厚いサポートでスキルを蓄積してきたクライアントと、ノウハウすら知らない見込み客では知識・経験が全然違います。
レベル感の違う人に、バックエンド商品のノウハウをそのまま提供しても、「できるか!」と思われてしまいます。
例えば、分数の計算すら習っていない小学生に、大学の理系学部で習う微分方程式やベクトル解析を教えるようなものです。
見込み客のレベル感は、かなり悩ましいところです。
思い当たる方は、日々の情報発信などで次のようなことがないかチェックすると良いでしょう。
専門用語が多すぎる
内容が濃く、価値ある情報ほど専門用語も多くなりがちです。
見込み客の知識にもよりますが、基本的に知らない用語が出た瞬間、見込み客は拒絶反応を覚えます。
使わなくて良い専門用語は極力使わなくても理解できるようにしましょう。
専門用語を使うとしても、事例や例え話を交えて簡単に理解できるようにすることがポイントです。
よく「小学4年生にもわかるように」と言われますが、それくらいの気持ちでノウハウを伝えるくらいがちょうどいいです。
詳細は、次の記事も参考にしてみてください。
見込み客にとって負担に感じる情報量になっている
「一生懸命説明しよう!」と思うあまり、情報量が多すぎて読み手(見る人)が負担になる情報量となっていないでしょうか?
「うわ、長い! めんどくさい!」
なんてことになってしまってはもったいないです。一例として、メルマガやステップメール、動画の長さの目安は以下の通りです。(目的やターゲットによって変わります)
- メルマガ:1通1,200~1,500文字程度(ヘッダーや追伸、フッターを除く)
- ステップメール:1通1,200~1,500文字程度(ヘッダーや追伸、フッターを除く)
- 動画:1話5~10分
また、無料特典で渡すテンプレートやワークシートが、見込み客にとって複雑になっていないかもチェックしましょう。
クライアントが成果を出しているテンプレートでも、見込み客にとっては使いこなせない可能性があります。
この場合は、簡易的なテンプレートやワークシートを用意した方がいいでしょう。
あれもこれもとノウハウを詰め込む
ワンターゲット・ワンメッセージと言われるように、1通のメルマガ、1本の動画につき、メッセージを1個にすることが原則です。
あれもこれも言いたいことを書いてしまうと、「何が良いたいの?」と見込み客は混乱し、結局何も気付きを与えられないので注意しましょう。
特にステップメールや無料特典動画などでは、とびっきりのコンテンツに絞る必要も出てきます。
必要以上に漢字が多くなっている
ブログやメルマガでは、そもそも漢字が多いと、とても読みにくい文章になってしまいます。
それだけでなく、必要以上に漢字が多い文章は、どこか「わかりやすく価値を提供しよう」という目的を果たしていないことが多いです。
「一生懸命説明しよう」とした結果、難解になった挙げ句に「何が言いたいの?」ということになりかねません。
横文字やアルファベットについても同様です。
やたら漢字や横文字が多いと感じたら、「もっと簡単な言葉で伝えられないか?」「このノウハウは理解できるか?」を振り返ってみましょう。
一方的に教えるだけになっている
どんなに良い情報でも、一方的にノウハウを教えるだけでは、見込み客は自分事として捉えることができず、離脱することがあります。
コンテンツにもよりますが、次のような工夫をして、見込み客にも考えてもらう機会を与えるといいでしょう。
- メルマガやステップメールでクイズを出す(「AとBどちらが成功したと思いますか?等」)
- 書き込めるテンプレートやワークシートを渡す
- 言葉で伝えることが難しければ体験セミナーを開催する
このようにするだけで、見込み客は単に知識を吸収するだけでなく、自分事に当てはめて理解を深めることができます。
つまり、見込み客は「あとは実践するだけ」「教えてもらえばできる」状態にステップアップできるのです。
「自分がどうすれば良いかわかった。後はサポートしてほしい」と思ってもられば、バックエンドに成約する可能性は十分高いです。
「自分でできる」と思わせてしまう
ノウハウを提供して「自分にはできない」と思わせてはだめですが、「自分1人でできる」と思わせるのもNGです。
つまり、メルマガや動画で提供した情報で「満足されてしまう」状態です。
「教えてもらえばできる!」
「自分でできる!」
この2つは全然違います。
「ノウハウ(知る)」と「スキル(できる)」は大きな壁があるので、ノウハウを提供して独学で成果を出せるようなことはレアケースです。
実際に「自分でやってみます」と言って、できるようになった人はほとんど見たことないのではないでしょうか?
つまり、「自分でできる」と思わせることは、成約を逃してしまったあなたも不幸ですし、「自分でできる」と勘違いした見込み客も不幸です。
このようなことにならないようにするには、次のことに気を配ると良いでしょう。
「やり方」「手順」だけを教えている
無料のノウハウを知ることによる見込み客の大きなメリットは、今までになかった大きな気付きを得ることです。
「なるほど、こうすれば良かったのか!」
「そうそう、こういうことを知りたかったんだ!」
と思わせればしめたもの。見込み客はもっとあなたのことを知りたくなります。
そうなっていない場合、メルマガや動画で書いてあることが、単なる「やり方」「手順」になっているだけのことがあります。
何か大きな気付きを得られなければ、その場で得たい情報を得られたことに満足し、「じゃあ自分でやってみよう」と思って終わりです。
そして、挫折した頃には、すでにあなたのことは忘れているか、悪い印象を持ってしまうかのどちらかです。
ただやり方や手順を教えるではなく、伝えたいメッセージが明確になっていないと、見込み客は気付きを得られません。
見込み客が得られる未来を提供できていない
見込み客に大きな気付きを得てもらうことは大切なことですが、そのためには見込み客が得られる未来を提供するのも1つの方法です。
提供したノウハウを実行したことで、どのような結果を得られたか、お客様の声や事例、インタビューを紹介すると良いでしょう。
「独学では難しい」ことを暗に伝えていない
見込み客に大きな気付きを与えられることは重要ですが、それでも「自分でやってみよう」と考える人がいます。
そのため、次のように独学では難しいということを暗に伝えながら、バックエンド商品への伏線を張っていくと良いでしょう。
「ご自身で落とし込めるまでサポートしていきます」
「自分に合う方法を提案していきます」
「実際に添削するなどアドバイスしています」
「間違っていたら、軌道修正できるようにサポートします」
「条件付きですが、成果保証があるのでご安心ください」
このように伝えて、「独学では難しいけれど教えてもらえばできるようになる!」という確信を持ってもらいましょう。
文章や動画で伝えることが難しいならフロントセミナーで体験してもらう
スピリチュアル系などに多いのですが、文章や動画で伝えることが難しいようなノウハウは、フロントセミナーで体験してもらうのも1つの手です。
「説明会」「無料相談」という形ではなく「体験会」という形にするのです。
無理やり文章や動画で伝えようとして、かえって誤解を招いてしまうことになれば離脱されかねません。
この場合、文章や動画で伝えられる部分は、ステップメールや無料特典で伝えて、体験すれば実感できる部分はフロントセミナーで伝えましょう。
「体験する」「実感する」というのはベネフィットを証明することになるので、バックエンドの成約率が大きく変わります。
ご自身の商品で、見込み客に何か体験してもらえることがないか考えてみるのもいいでしょう。
【まとめ】価値を提供して「教えてもらえば絶対できる」が伝わるように
以上、ノウハウを出し惜しみなく無料公開して逆効果になる理由についてお伝えしました。
重要なことは見込み客が価値を感じられること、今までに知りえなかった気付きを与えられることです。
「ノウハウを出し惜しみなく無料公開しろ」と言っても、ただノウハウを提供するだけの話ではありません。
「誰に何を伝えるか」を明確にしながら、ノウハウを提供するようにしましょう。
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最後までご覧いただいてありがとうございました。