こんにちは。
セールスコピーライティング普及協会
認定ライターの中岡です。
商品やサービスの商談で必要なスキルは話術だと感じ、話し方や動作など話すテクニックを磨けば問題ないと思ったことはありませんか?
人前で話すテクニックを磨くことによって、短期間で関係性を強められます。
しかし、それには膨大な時間と経験が必要な割には、成約率に直結するとは限りません。
だから今日は話すテクニックよりも、確実に成約率を高められる方法をお伝えします。
なぜならば、購入・成約に繋がるセールステクニックにおいて重要なのは、相手との関係性よりも「どの順序で話すか」と「どう伝えるか」という流れが組み込まれた台本だからです。
ではそこまでして、話すテクニックが必要なのでしょうか?
セールスのゴールはお客様の成約ですが、話すテクニックで関係性が強化されるからといって、それが成約率に直結するかというとそうではありません。
そこで今回は売れる台本作成に当たり、重要となってくる5つの心理要素をお伝えします。
参加者を前のめりにさせる心理要素
売れる台本というのはいわば「商品成約に繋がるまでの流れやストーリー」とも言えます。
相手に成約していただくためには、その流れやストーリーに「参加者を前のめりにさせる行動心理」を組み込むことで更なる効果が発揮できます。
本項目では、具体的にどのような行動心理が必要であるか説明していきます。
◆返報性の法則
返報性とは「相手からの言動に対して、ついお返しをしたくなる」という行動心理。
この返報性で身近な例としてあるのが、2月のバレンタインデーと3月のホワイトデーです。
バレンタインデーに贈られた物と相応の物を、ホワイトデーで返さなければいけない…と感じるこの心理はまさに返報性の典型的な例。
この返報性は年齢や性別関係なく、「貰ったんだから何かお返ししないと」という義務感が生まれることが多いので、ビジネスでも活用される有名な行動心理学です。
とはいえ、この返報性で重要なのはあくまで自然に返したくなるということ。
お返しに期待するなど見返りを求めすぎると、返報性は働きにくくなり、逆効果となることもあるので注意が必要です。
これをセミナーセールスで活かすとすれば、相手の訴求にマッチした内容の無料オファーを出し続けること。
相手の心に響くオファーや特典があればあるほど、返報性の効果は更に高まりますが、そうでなければ何の効果も得られずに終わってしまいます。
詳しくはこちらのコラムでもお伝えしておりますので、ご覧くださいませ。
◆一貫性の法則
一貫性とは、「言動や信念などを一貫させたい」という行動心理。
一貫性のない人というのは”あの人はよく意見が変わるんですよね…”として、信用されなくなったり、軽薄な人として見られがちとなります。
そういった心理を意識するため、つい社会に出ると自然と一貫性を保とうとしてしまう心理が働きます。
この一貫性を活かすための技術として用いられているのが、必ずイエスとなる質問を用意したり、何度もイエスと同意させる内容を織り込むこと。
これは商品やサービスなど商談に関する内容でなくても、人としてのパーソナルなことでも通用するので応用しやすい技術です。
イエスを徐々に増やして、相手が肯定的な心理状態となったところで本題を伝えることで、そこでもイエスをもらえやすくなります。
あなたが何か商品やサービスの提案をする場合、伝えるだけで終わっていませんか?
もしそうであれば、説明するだけではなく、自ずとイエスと言わせる質問を相手に投げかけてみると良いでしょう。
◆希少性の法則
希少性は名前の通り、「希少価値を打ち出して購買意欲を持たせる」という行動心理。
人間は誰しもこの希少性に感化され、商品やサービスを購入するという行動に走ったことが一度はあると言われています。
それだけ強力な心理であり、上手く使えば”ただ欲しい…”ではなく”今すぐにでも欲しい!”と心を揺さぶり、行動させることが可能となります。
なぜそのようになるかというと、手に入らなかったときの後悔を避けたい、すぐにでも欲望を満たして優越感に浸りたい、という気持ちになるため。
希少性を用いた例としては、期間限定や販売数限定など限りを持たせるものが多くあります。
そこに地域などの情報を組み合わせて、世界限定10台といったようなメッセージを伝えることで希少性の威力は上がります。
セミナーセールスでも、もちろんこの心理を使って成約率を高めることが可能です。
たとえば申し込みを早く促すために、申し込み人数に制限を掛けたり、期間限定の値引きをするのです。
また、講義を抽選制にしたり、審査に合格した方しか受講できない、という敷居を敢えてつくることも効果的です。
このような制限を設けることで、誰でも受講できるものではないという稀少性に繋がることができます。
ただ、この希少性は、多用したり、誇大表示し過ぎると、返って信用されにくくなり反応が悪くなるケースもあるので要注意です。
詳しくはこちらのコラムでもお伝えしておりますので、ご覧くださいませ。
◆権威性の法則
権威性は「その業界のプロや専門家が発信する意見をつい信じてしまう」という行動心理。
一番分かりやすい例は医者であり、病院へ行って診察されると言われた通りに従うかと思いますが、これは職業自体に権威性があるためです。
ただ、時に好きな人や尊敬する人など、感情面における権威性が有効となることもあります。
たとえば、好きな俳優やモデルが、商品やサービスを愛用しており、消費者に対して勧めるのも感情的な権威性を使った手法でもあります。
この権威性をセールスに使うと、提供する商品やサービスの信用を高めることができ、成約率を爆発的に上げることが可能です。
ホームページやランディングページ、チラシなどの販促物においても有効で、テレビ番組で芸能人が商品紹介しているのは、権威性が協力であり有効であるためです。
セミナーなど人前で話すセールスである場合は、雑誌やテレビなどのメディア出演歴、その業界における知名度の高い人や著名人による推薦文が有効です。
もし聴講者がそれらに出てきた人を知っている場合、一気に信憑性が増し、”あの人が良いと思ってるなら、私にもきっと役立てる”という心理が働きやすくなります。
詳しくはこちらのコラムでもお伝えしておりますので、ご覧くださいませ。
◆社会的証明の法則
社会的証明は、「人間は多数派に従って行動してしまう」という行動心理。
ラーメンやスイーツなどの飲食店に長い行列ができていると「あのお店は美味しいに違いない」と思い、便乗して並んでしまう…なんてことがあるかと思います。
また同じジャンルの商品が2つ陳列されていたとして、片方は数が少なく、もう片方は売れ残っていた場合は前者を選ぶ傾向にあります。
ここ最近は何かお店を探すとき、口コミや評価を確認するかと思いますが、良い評価であるほど信用するのも該当します。
このように多くの人に選ばれている方を自然に選んでしまう現象こそ、まさに社会的証明の心理が働いている結果でもあるのです。
よく本やテレビなどで「販売数100万部突破」、「2021年に最も売れたベストセラー」といった数字を使ったメッセージを目にしますが、これも社会的証明を高めるために使われています。
もしセールスで使う場合、「近くの○○さんや有名な○○さんも取り入れております」と、同業者を引き合いにして伝えることで、説得力が強まり、成約率向上にも繋がります。
多くの人が使っていたり、近しい立場の人が使っているという情報を出すことで、この社会的証明が働きやすくなるのです。
まとめ
今回は「セールス成約率を劇的に高める5つの心理的要素」についてお伝えしました。
もし、成約率に伸び悩んでいる方は、お伝えした以下5つの心理要素を資料に加味してみてください。
- 返報性:もらったらつい返したくなる気持ちを利用した行動心理
- 一貫性:言動や信念を一貫させたい気持ちを利用した行動心理
- 希少性:希少性を持たせることで購買意欲を与える行動心理
- 権威性:プロや専門家の意見に従ってしまう行動心理
- 社会的証明:多数派に従ってしまう行動心理
売れる台本は商品成約に繋がるまでの流れやストーリーに「参加者が釘付けになる行動心理学」を組み込んだもの。
今回は行動心理学をお伝えしましたが、商品成約に繋がるまでの流れやストーリーの組み立て方でお悩みでしたら、以下のコラムが参考になります。
【セミナーセールスの構築方法:後編】
https://www.seminar-sells.jp/seminarsales-construction02/
人前で話すセールスにおいて、口下手でも人見知りでも、きちんとした台本さえ作ってあれば全く問題ありません。
ただし、その台本も順序や人の心を動かす行動心理学を加味することは必要不可欠です。
ぜひ、今回お伝えした法則を資料に反映し、あなたのセールスにおいて少しでも成約率が高まるお手伝いができれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。