こんにちは。
セールスコピーライティング普及協会認定ライターの中岡です。
以前お届けしたコラムで、「返報性」「一貫性」「希少性」「権威性」「社会的証明」の5つの心理的要素を組み込むことで、成約率が爆発的に上がるとお伝えしました。
高額品を販売するにおいて、全て大事な要素ですが、ここ最近、特に重要視されているものがあります。
それは、アメリカの社会心理学者ロバート・チャルディーニ氏が提唱した「社会的証明の法則」。
インターネットの普及、そして1人1台スマホやパソコンを保有するデジタル社会となり、物や情報が過多な時代に突入しました。
こうした取捨選択に迫られる機会が増えた結果、商品やサービスを購入する際、失敗時のリスクを回避したいと考える方も増えました。
そんな多くの情報にあふれた時代において、効果を発揮する行動心理学、それが「社会的証明の法則」なのです。
社会的証明の法則とは?
社会的証明とは、他者の行動を参考にして自分も行動を決定してしまう心理を指します。
多くの人が選択をしているのを見ると、そちらが正しいと感じて、自分もそれに従いたくなるもの。
たとえば、飲食店を選ぶ際に、行列のある店を見ると、「きっと美味しいお店に違いない!」と感じて選択することがあるかと思いますが、これこそ社会的証明の一例です。
社会的証明は、高額な商品や新しいサービスの購入を検討する際、以下の場面で強く作用します。
- 判断材料が不足している
- 時間的な制約がある
- 専門的な知識が必要である
現代のビジネス環境では、情報過多により選択判断が難しいため、リスクを回避したい思考がより強まってます。
こうした状況から、社会的証明の法則は、マーケティングやセールスの世界でも重要とされている行動心理学です。
社会的証明がもたらす3つの効果
人間は、家族や会社、地域などといった、人と人との関係によって構築される社会の中で生きる存在。
何かの選択に迫られたときに失敗するリスクを避けたいため、多数派の意見や行動に従うことが安全であると感じるようにできてます。
その結果、世間一般的な評価を重視する傾向となり、「他者の行動や意見を参考にして決定する」という心理が働くようになったのです。
不確実な状況であるほど強く働く社会的証明は、3つの効果を生み出すことができます。
信頼性の即時確立
社会的証明の最も直接的な効果は、商品やサービスに対する信頼性の即時確立。
人間は経験したことのない選択に直面したとき、他者の判断を重要な判断材料として活用します。
特に高額品を勧められた際は、慎重な行動を取るようにできています。
そして、自分の選択が正しいか見極めるのに、他者の意見や評価を判断材料にし、信頼できたと分かったら購入という行動に移るのです。
この現象が起こる理由は、人間の脳が持つヒューリスティック(経験則による判断)によるもの。
複雑な判断を迫られたとき、脳は「すでに誰かが検証済み」という情報を重要な判断材料として使用するので、時間に迫られたり、情報が限定的であるほど、こういった傾向が顕著に現れます。
購入判断の加速化
社会的証明は、決断の遅延や購買後の後悔といった心理的障壁を効果的に取り除きます。
高額品を購入する際、失敗したくないので「本当に必要かどうか」「価値に見合っているか」を慎重に考えてしまいます。
そういった場合は、他の多くの人が既にその商品を購入し満足している、という事実情報を示すことが、決断の後押しに繋がります。
人は複雑な意思決定を迫られたとき、「認知的負荷の軽減」という心理メカニズムが働きます。
無意識のうちに他者の選択を判断材料として活用し、決定するというプロセスを簡略化しようとします。
そのため、社会的証明を用いたアプローチは、購入までの時間を加速化させるのです。
ブランディングの強化
社会的証明は、商品やサービスのブランド価値を高める効果もあります。
ブランドは商品やサービスを識別する記号ではなく、本来は顧客の心の中に形成される総合的な価値認識。
購入者や経験者による評価の積み重ねが、知名度や人気度を高め、ブランドとしての地位を確立します。
この購入者による評価で最も効果的なのが、有名人やインフルエンサーによる紹介や推薦。
知名度の高い人がその商品を紹介するということは、社会的にも認められていることを示し、選んだ人の判断の正しさを強化する頼もしい情報になるのです。
ルイヴィトンやロレックスといった高級ブランド品は、購入するという行為が一種の社会的ステータス。
これはまさに何百年という歴史において、購入者による高い評価の積み重ねが構築された証であるためなのです。
セールスにおける社会的証明の活用方法
良い商品・サービスであれば、自然と売れるはず…と考えがちです。
しかし、実際のビジネスの現場では、どれだけ優れていたとしても、その価値を効果的に伝えなければ選ばれることは難しいのが現実。
社会的証明の法則を活用することで、あなたの商品やサービスの価値をより説得力のある形で伝えることができます。
本項では、どのように社会的証明を使えば良いか活用方法をご紹介します。
具体的な数値を掲載する
最も直接的で効果的な社会的証明の活用方法は、実績や成果を具体的な数値で示すアプローチです。
「実績多数」という漠然とした表現と「1万人以上の方に選ばれました!」であれば、どちらの方が信頼を獲得できると思いますか?
きっと後者を選ぶ方が多いかと思います。
単なる数字の羅列ではなく、顧客にとって意味のある文脈で数値を提示するのです。
ここで重要なのは数字単独でなく、製品の販売数や利用者数、販売実績など消費者にとって意味のある信頼情報を持たせること。
たとえば、「このアプリは既に100万人が利用しています」や「累計販売数10万本突破」などの表現は、安心感を与え、人気のある商品・サービスであると認識させるもの。
具体的な数字とストーリーの提示は、他者が行動を決める参考情報として、決断へと促すのです。
レビューやランキングの活用
スマートフォンの普及により、私たちの購買行動は大きく変化しました。
店頭で商品を手に取りながら、レビューをチェックしたり、食事場所を選ぶ際も、まずは評価の高い店を探す。
こうした行動は、もはや当たり前。
統計によると、消費者の87%が購入前にレビューを確認し、そのうち79%が星4以上の評価を重視するというデータもあります。
レビューやランキングといった情報は、参考情報ではなく、判断材料として必須な情報と言っても過言ではありません。
そして、ポジティブなレビュー・評価が多いほど、信頼できると評価できるため、購入を決定する上での動機付けとなります。
こうしたレビューや評価、他者の意見を参考にするというのは、まさに社会的証明が働いている証拠とも言えるのです。
第三者情報を利用する
第三者の影響力を活用した社会的証明の確立は、とりわけ効果的なアプローチの一つです。
有名人やインフルエンサーといった影響力のある人物が、特定の商品やサービスを推薦すると、多くの人々は、その商品を信頼できると感じます。
たとえば、サプリメントであれば有名なアスリート、化粧品などのスキンケア製品は女優、といったように商品・サービスにマッチした人物を採用するのです。
著名人でなくても、その業界において権威性のある専門家でも構いません。
医師や栄養士といった専門家による科学的な裏付け、実際の使用者の中から選抜したお客様の声なども、効果的な取り組み。
多様な視点からの証言を組み合わせることで、製品の信頼性を構築することができます。
影響力のある人物を出すことは、商品の信頼性向上や見込み客との心理的距離縮小など、複数の効果を同時に見込めるため、積極的に打ち出した方が良い取り組みです。
まとめ
社会的証明の法則は、顧客の信頼を築き、購買行動を促進するための強力な心理学です。
レビューや評価、有名人の推薦、実績や数字の強調など、この法則を活用することで、消費者に対する信頼感を高めることができます。
ぜひ、今回お伝えした内容を実践いただき、あなたのセールスにおいて少しでも成約率が高まることができれば幸いです。
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最後までご覧頂き、ありがとうございました。